炎如交際

キング×(数学+鼻血+保護区域)=世界平和 を提唱(したい)ブログです

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【た(い)がいちがい①】

春に出そうと思っていたkzknを見守るみんなのお話が書きかけでして、でも本にするとなるとどうだろうって感じ始め、なんか「ちょぼちょぼ書いてブログに上げよう」と思い至ったので侘助視点のお話があとちょっとで終わりだったんで書き上げました何この小学生の作文

注意事項

!どS健二さんとばかずま!

すみません。


ちょっと長いので分けておきます^^

印刷所さんから連絡きました無事入稿・入金終えれた私がんばった!←
投票も継続中ですーみなさまありがとうございます!!
拍手お返事もまた後日ほんとにありがとうございますあいしてる!!!

た(い)がいちがい



「ほい、猪鹿蝶。俺の勝ちー」
自身の指から滑り送り出された手札に、計六つの良く似た眼光が吸着し、ついで同じように天井に上向く。その様子を眺める侘助の胸に、微かな燐光が沸き立つ。花札の勝ちなど取るに足りないだろう。
侘助は、傍らの盆に載るグラスを取り上げて、ぬるくなりつつあるビールをのどに流し込んだ。酩酊の液体が嚥下されゆく音を体内で聞きながら、体の外側には悔しがる男たちの大仰な嘆息が聞こえた。
「頼彦にーちゃんこれで五連敗じゃねぇか~!」
「んだよ、カツだって似たよーなもんだろーが!」
「なんだってこんなに強ぇかな、ちきしょー」
海老茶の座布団の上に並んだ札を眺めてしきりに首を傾げている親戚を眺めつつ、まさに雁首揃えてだなぁ、とか侘助は考えた。
縁側から夏の夜風が吹き込んでくる。侘助の皮膚には、ちかくの喧騒よりもそちらに意識が引き寄せられる。藍色に触れればこんな感じかと思わせるような、物憂い温度をしている。おそらくは、自分の脳髄を浮かべる頭蓋骨の内側もこんな色である。静寂がすきなのではなく、明るい色に焦がれながらも直面したら当惑する性質なのだ。

あの世から、侘助の命の球根を大事に育てている栄がまだ存命の時と相変わらず、陣内一族は真夏の長期休暇を利用して上田の屋敷に一同する習慣を忘れ得ない。
十年行方を晦ませて、三年罪滅ぼしに奔走して、侘助が盆に栄の魂を訪問するのはこれで五度目だ。
上田にいる間侘助は、季節を繰り越す朝顔を丹念に世話する。朝顔の間を朝夕問わず何度でも散歩する。暁闇の中、入道雲を乱立させるあおい空の時間、夕暮れの中、星明りの下で栄を懐かしむ。栄の血を分けられた人間と酒を飲み交わす。時折は子供らと遊ぶ。かえってザリガニ釣りの極意を教わる。蚊帳の中で眠る。それでも蚊に刺される。日本の夏に充満する湿気は陰険だ。それでもビールはうまい。
「もう一勝負、今度は俺が相手だ!」
「次は俺だろ?」
「いや、まて、なんとなくこいつの癖が分かってきたんだここはにーちゃんに任せろ!」
「頼彦にーちゃんはいっつもそうやっていいとこどりしようとする!」
「順番守れよ兄貴だろ!」
「あーうっせぇうっせぇ!カツも邦彦も黙って兄貴のいうこと聞いときゃいいんだって!」
横暴だ、そうだそうだ、うるせぇうるせぇ、とがやがやがや。しながら、それぞれの筋骨逞しいからだを反らせてぐぅーっとグラスに注がれたビールを煽っている。侘助はちょっと肩を竦めて、場に出された花札を手元に集めて切り始める。
「で?次は誰がやんだよ?」
低く出た声音が自分でも意外なくらい気だるい。その事実が侘助のこころの影をちくりと刺した。
そんなセンチメンタルぶった侘助の心情など知る由もない三兄弟は、アルコールの重みに据わらせた目で、もうちょい待てすぐに相手を決めるから負けねぇ負けるわけがねぇと息巻いている。
生来自分は人と関わりあうのがあまり得意ではない。というか、気質じゃあない。
陣内家の人間は個性が濃厚で、性格が似ているとはいい難いが、総じて社交性に富んでいる。というか、他人というカテゴリを分けている膜が非常に薄い。
親族で集まっているのだからそりゃそうかもしれない。ただ、身内があんまり混淆して上も下も本家も分家もしっちゃかめっちゃかになっていて、「かぞく」という括りに放り込まれてあるから、そんな環境に長く息をしていれば他人にもある程度の親しみをもつのは苦じゃないのかもしれない。
そんな体系を作り上げたのは紛れもない、栄だろうと思う。
栄は夫の妾の子である自分、血のつながりのない自分すら、「私の家族」と言い切った。
もう一度、グラスに口を付けた。口腔をじわりと浸すビールからいつかの記憶が熾火のように仄明るく脳裏に灯った。
飲んでみるかいと、片方の眉を上げていたずら坊主のようににやりと笑った栄からビールを少しだけ貰った、十三の秋口。校舎内で先輩相手に派手な立ち回りを披露して栄が学校に呼ばれた日の夜だ。切れた口の中にアルコールがしみて(最初は、なんだか生意気だとかつまらない因縁だったのだ。相手にしないでいると小学校が一緒だった馬鹿がへりくだって相手方の子分みたいになっていて、栄の話をしだした)、しみて(栄が母にしては歳を取りすぎていると揶揄されて)、しみて(お前はほんとうの子じゃないんだろうと、安っぽい嗜虐で愚弄された)、涙がぼろぼろ出た。
で、あんた、勝ったんだろうね。と、栄がきらきらした目で言うので、大きく頷いた。実際自分より体格の良かった男は、侘助に腕を齧られ悲鳴を上げて確かに参ったと言ったのだ。栄はにっこりと大輪の笑顔を咲かせて、ぐしゃぐしゃと侘助の頭をなでた。
その、うつくしさ。凛々しさ。気高さ。
柔らかい琥珀が胃の腑に落ちて、あたまがぼんやりして、涙が滂沱と流れるままに栄にしがみついて泣いた。
日本のビールほど、うまいものはない。
(…ばーちゃんに会いてぇなぁー…)
とは思うものの、もしここで崖から飛び降りてみたり睡眠薬を大量に服用したりしても、薙刀ぶん回す彼女に追い返されるのがオチなので、侘助は、親戚といっしょにぶらぶら夏を謳歌する。自分だって楽しいし、栄もきっと喜んでくれる。
それは、いいのだけれど。
挑戦者の選出にまだもたついている三兄弟の議論はますます過熱し幼稚を併発、「ばか」だとか「あほ」だとか簡単な罵倒が矢継ぎ早に行き来している。侘助はビールを飲み干してしまうと、手酌しつつそれを眺めているだけだ。
顔に貼り付けている笑みは本当半分、付き合い半分、だ。
この付き合いの分だけ自分は。
縁側を歩く音がして、ふと顔をそちらへやった。
すらりと長身で、浅黒い肌をした青年が、はだしで縁側を踏みふみ、真剣な表情で携帯を覗き込んでいる。伸びすぎの前髪から僅か垣間見れる(うつむいているせいで常より余計顔が出にくいのだ)精悍な顔立ちと切れ長の目は年頃の女子ならば放っておかないだろう艶やかな色気を立ち上らせている。実際、ちびだった真緒がいつのまにか少女の年代に差し掛かっている現在、彼を前にすると急に態度をぎこちなくさせていることを侘助は知っていた。
(真緒か…俺のことを巨乳好きと認識していることはどうにか改めさせてーんだけどな…いや巨乳が嫌いなわけじゃないけど、どーもあいつは結構なレベルに俺を位置づけている…よくない…)
冗談の値段も馬鹿にならない。その相手が女ならばなおさらだ。侘助はいつかの戯言を悔やんでいた。あの時の自分は冷静なつもりの自暴自棄だったから、たちが悪かった。
ぼんやりとそんなことを考えている侘助だったが、あっけらかんと大きな克彦の声にはっと我に返った。
「おう佳主馬!どーした一人でほっつき歩いて。ゲームはどーしたゲームはぁ!」
その声で視線をこちらに走らせた佳主馬は、あからさまに厭そうな表情をした。
「げ。酔っ払いだ」
「酔っ払いたぁご挨拶じゃねーか。てめぇもこっち来て仲間入りしろ!もう呑める年だろ!」
佳主馬は唇を尖らせる。そんな表情もどこか様になっている。幼い頃から整った顔立ちをしていたが、年を重ねる毎にこの男は冴えた美貌を色濃くさせていくようだ。
「やだよ。おっさん連中の仲間入りなんてさ」
「若造が、こちとらいぶし銀の魅力っていうんだよ!」
「くだんねーこと言ってないで飲め飲めー。飲んじまえー」
「妹ちゃんはー?」
「とっくに寝たよ」
「健二はどうしたんだよ健二は」
「健二さんのこと気安く呼ばないでよ」
「出たー。彼氏気取り」
「気取りじゃないくて彼氏なんだよ」
「へーへー分かってるっつーの!このやろーぜってー酔わせるヘド吐けちくしょー」
「だからいやだって。健二さん、今日は間に合わないって。明日の朝イチでこっちに着く予定」
「東京から一緒に来たんじゃなかったのか?」
「そうしたかったんだけどね…」
彼は結局、のたりとこちらにやってきて腰を下ろす。その時、ふと侘助と視線を合わせて、こくりと会釈をしてきたので、侘助もきょとんと目礼した。
「ここに来る前、俺名古屋いたから。母さんと琴栄といっしょに来たんだよ。したらあの人典型的な現代の日本人だからさー、仕事でちょっと帰るの遅くなっちゃうあははははー、明日には行くよたぶんー。だってさ。ったく働けないくせにあんなに働いてどうすんだっての」
「だからあんな苦虫噛み潰した顔してた訳だ」
「若いねー」
「青いねー」
「……じゃ」
「ちょちょちょっ、冗談だって佳主馬!」
「てめー俺らの酒が飲めねぇってのか!」
「どうでもいいけどあんまり騒がないでよ。コトが起きてきたら面倒くさいんだよ。もうコトには遅い時間だし一回目ぇ覚ましたらなかなか寝付かないんだから…」
「どうでもいいけど飲んでいけ」
「…あのさァ」
「いーじゃねーか、健二の話でも聞かせろよ!」
克彦の言った言葉に、ぴくりと佳主馬が反応を示したので侘助はなんだかいやな予感がした。
「…仕方ないな、少しだけだよ」
「そうそう、長いものには巻かれろってな」
「いて、やめてよ」
克彦に背中をばしばしされながら、邦彦にビールを注がれている佳主馬は、さっきから話題に出ている健二という男と恋仲だ。侘助が発端と言っても過言ではない、人為的から偶発的に発展した世界最悪に性質の悪いサイバーテロが8年前に起きた。その時に陣内家と健二とに関わりが発生し、なんでだか知らないが気がついたら佳主馬と健二との間に恋愛が萌していた。
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